手紙 スタンダード版
手紙 スタンダード版山田孝之
価格:¥ 3,120 (DVD)
(参考価格:
発売日:2007-04-27
おすすめ度 ★★★★
弟の大学の学費のために盗みに入った邸宅で、誤って女性を殺してしまった剛志。千葉の刑務所に服役中の彼の唯一の支えが弟の直貴から来る手紙。しかし、兄が受刑者というだけで、差別され、仕事も転々とし、恋人にもふられ、夢さえ打ち砕かれてきた直貴。兄を思いながらも、その存在の大きさ、罪の大きさに彼は押しつぶされそうになる。そんな彼が所帯を持った。守らなければならない妻、子どものために、直貴はある決心をした。
直木賞作家・東野圭吾が描いた小説をTVドラマでおなじみのヒットメイカー生野慈朗が映画化。加害者の家族を主人公にする大胆な試みだが、登場人物の心情にきちんとよりそい、ときには心にグイグイと入り込む演出は、罪を背負って生きる兄弟のドラマに見るものを釘付けにする。陰のある役がよく似合う山田孝之が、兄への思いと妻と子への愛の間で苦しむ直貴を熱演。意外にもさわやかなイメージの玉山鉄二が受刑者の兄を淡々と演じながら、最後で泣かせてくれる。ひとりの人間の犯した罪により、家族がどんなに苦しむか。そこから生まれる差別との闘いのドラマは確かにヘビーだが、弟の怒り、哀しみ、諦めなどの感情がうなりをあげて見る者の感情をゆさぶり、目が離せない 。まさに感動作だ。(斎藤 香)
★★★☆☆ 2007-06-03 薄味☆
「いるだけで罪を犯し続けているんだ」という劇中の言葉のように、罪の犯す事の重さとそれが与える影響が描かれています。
身内に殺人犯が出れば、社会的にもあるいは自分の内面的にも変化は避けられない事でしょう。
世間では見た目から好きなものでまで差別や偏見が起こりうるのですから、自分がやったんじゃないにしても、身内が殺人ともなるとそのレッテルがついてまわる事はいたしかたなく、受け入れるべきを受け入れ、その中でどう生きるか、いかに自分を保ち、ちゃんと生きている生き方をする大切さを訴えています。
ラストシーンはかなり好きですし、印象は悪くないのですが、全体的には描き方としてかなり薄いと思います。教科書的過ぎたせいか、素直にあまり感動がありませんでした。様々な形のスタンスの人や現実的な困難も見せるんですが、見せただけの感じが否めなくて、その見せかけ感をこちらで補正、補足しないといけなかったようにも思います。とりあえずという感じで全体を綺麗に固めているのに馴染めず、心理描写も実際そこにあるはずのものほどには伝わってきませんでした。
(褒め言葉ではなく)大衆的なバランス感です。とても頷けはするんですが、決して最高ではなかったです。
★★★★★ 2007-05-23 凄く良いけれど凄く惜しい作品
ダイジェスト的に出来事を積み重ねてみせる手法はいいけれど、もうちょっと丁寧に主人公の心情やまわりとの関わりを描いてほしかった。人目を避けるように生活しているのにもかかわらずお笑い芸人を目指す、そこに至った経緯も描写不足(しかしこの役の設定は演じる上で相当困難だったんじゃないかな)、直貴と由美子の関係もいろんな意味で唐突なシーンが目立った。逆に中盤の朝美とのシーンの演出はだらだらと平板な印象。
それでも尚これだけの作品になりえたのは、役者陣の演技に負うところが大きいと思う。ある意味この映画の集大成のシーンだと思った主人公と被害者の息子との対面シーンは息を押し殺して見入ってしまった。最後の刑務所での漫才のシーンは秀逸。泣くまいと涙をこらえて漫才をする弟、その姿を見てひたすらダダ泣きの兄、両者の演技、演出とも素晴らしい。笑いながら泣けるという経験はそうできるものではない。最後の最後、何か腹を括ったかのような兄と弟、そして親子の後姿が今でも鮮明に思い出せる。原作ではミュージシャンのところをお笑い芸人に設定を変えたのも大成功だったと思う。
だからこそもう少し丁寧なつきつめた展開、演出をしてほしかった。このあたりが完璧ならばどんな凄い作品になっていただろうと思うと非常に残念だけれど、それを差し引いても☆5つをつけたい。
★★★★☆ 2007-05-17 玉山鉄二がいい!
小説読んで、比べてみたくなり見ました。
小説自体がが絶賛と言う程でもなかったののもあるのか、あまり小説と遜色なく作られていると思います。
殺人を犯した兄を持つ弟の人生を描いた作品ですが、最初はすんなり上手く行き過ぎだと思いながら観ていました。
後半徐々にその兄との葛藤を描けていました。
ですが、俳優人の演技が微妙に感じました。特に沢尻エリカの関西弁は違和感ありすぎで、特に関西弁にする必要も感じませんでした。
しかし、玉山鉄二だけは違い、出演は少なめですが最後の刑務所でのなんとも言えない表情は全てを表せていたと思います。
10点中7点!小説を上手く映像化出来ている作品だと思います。
★★★★☆ 2007-05-16 見る価値のある、秀作。
出番は少ないが、吹越満と杉浦直樹が素晴らしい。主役3人の演技も賞賛に値するが、この脇役(といっても、物語上主人公と非常に重要な関わりを持つ)2人の力により、難しい題材を扱ったこの映画が説得力を持った。
ややリアリティが希薄な部分も散見されるが、こういった内容だととかく情に訴えかけすぎるきらいのある邦画の中では充分成功した部類に入るのではないか。東野圭吾の小説からの改変も多いが、映画は映画でまた別の魅力を持っていると思う。
終盤の玉山鉄二の表情は今思い出しても涙腺がゆるむ。だからこそ惜しいのは、ここにうるさく被ってくる小田和正の「言葉にできない」と、エンドロールに流れるとってつけたような主題歌。これで一つ星を引かせてもらった。この部分のみサウンドトラックを差し替えたバージョンを出してほしいと真剣に思う。
★★★★★ 2007-05-01 役者の熱演に泣かされた
映画としての完成度は必ずしも高くないが、主役脇役ともに役者の演技が
とてもよく、なかでもラスト30分は役者の熱演に泣かされた。特に直貴役の
山田は若いにもかかわらず実に巧かった。刑務所慰問のシーンで、兄への
愛情と決別の思いに揺れながら漫才を続ける微妙な表情の演技は絶品だった。
対する兄役の玉山のストレートな泣きの演技もよかった。ラストシーンの
ようやくすべてを受け入れて生きる覚悟を決めたような主人公の微かな笑顔も
忘れられない。被害者の息子役の吹越、直貴の勤める会社の社長役の杉浦ら、
ベテランの演技もよかった。
映画館で1度観たのだが、どうしてもまた観たくなって思い切って購入した。