パッチギ! (特別価格版)

パッチギ! (特別価格版)
塩谷瞬
価格:¥ 1,625 (DVD)
(参考価格:¥ 2,079)
発売日:2007-04-25
おすすめ度 ★★★★★


『ゲロッパ!』の井筒和幸監督が、若者たちの恋と喧嘩を軸に、日本と朝鮮の深い溝とそれを乗り越える前向きな力を問う屈指の傑作青春映画。1968年の京都、高校2年の康介(塩谷瞬)はかねがね敵対する朝鮮高校に親善サッカー試合の交渉をするはめに。しかし訪れた朝鮮高校で彼は、音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)に一目ぼれし、彼女と仲良くなりたい一心で、『イムジン河』の歌をギターで覚えるが…。
ベースは国籍の違いによる日本版『ロミオとジュリエット』だが、その実二国間のさまざまな世代が織り成すエネルギッシュな群集劇として見事に屹立。また深刻な問題に真正面から取り組みつつも、あくまでもにぎやかでコミカルに進むテイストからは、井筒監督ならではの人間讃歌がうかがえよう。娯楽を機軸に、観る者の意識を啓蒙させ向上させえる、これぞ真のエンタテインメントと断言したい。なおパッチギとはハングル語で“頭突き”のこと。“突き破る”“乗り越える”という意味もある。(増當竜也)

★★★★★ 2007-05-16 希望はあった40年前。
1968年の京都市を舞台にした真面目な社会派映画。今時、このような作品を作りかつ評価されたのはなぜか。
出だしから迫力あり。一気に40年前に逆戻り。朝鮮高校と対立する高校の悪ガキ達。観光バスを横転させる若者達のクソ馬力。毛沢東語録を教室にもってアジる教師。
「悪ガキ達」の世界と純情可憐な恋物語が同時進行。
クライマックスは最後に集中。二つの悪ガキ・グループの戦い。一方のボスの赤子の誕生。『イムジン河』がラジオから流れる。それを通夜の席から、追い出した同胞に聞かせる乙女。二人はどうなるのだろう。赤ん坊はいつの世にも希望の星である。あれから40年。今の、日本は暗い。

★★★★★ 2007-05-15 若き在日の溢れるパワー爆発!
今まで井筒監督はテレビに出過ぎで言いたい放題のオッサンだと想っていたが、この映画で私の認識は名監督になった。

在日を扱った映画は「血と骨」だったが、あっさりとトップを交代してしまった。若手俳優を起用した配役が大成功で、若さの持つ勢いが画面から溢れている。また話題作りに韓流の人気俳優を起用するような軟弱なマネはしてないのも、演技指導がきちんと伝わることを第一に考えた映画作りのこだわりだろう。

メイキング映像では井筒監督の鬼のようなダメだしが、若い俳優たちをしおれされていたが、彼らにとってはいい勉強になったはず。オダギリジョーはその井筒学校の若手を観て「うらやましい」と言っていた(しかしオダギリのヒッピー姿似合いすぎ、笑)。

日本のマイノリティの現実がその背景からリアルに描れていて、一見ただの乱暴者に見える彼らが抱え得る気持ちに共感し、イタイほど訴えかけてくる。観ている間ずっと涙が止まらなかった。こんな文章ではこの映画の良さの百分の一も伝えられない。ぜひみてください。

★★★★☆ 2007-05-10 痛快青春劇☆
時代背景もよく知らないし、在日だからどうこうとも全く思わないし(ただ在日だってだけで苦労する方がいるという現実があるのは想像できます)、見始めた時はどうかな~と思っていたんですが、かなり痛快なエンターテイメントだったというのが感想で(暴力暴力してるのには馴染めませんでしたが)面白かったです。

テーマは深く重いんですが、恋愛友情音楽を絡めてより人間の気持ちの自由を描いていているのがこの映画の魅力かと思います。賛否両論あるようですが、ことその面に関して言えば、かなり青春の風やパワーを感じられて、葛藤する姿から気持ちが柵を突き抜きぬけていく気持ち良さがありました。後味がすがすがしいです。特に葬式シーンからラストにかけてが好きですね。キャストも沢尻エリカに加え、少ししか出てないオダギリジョーや大友康平もいい味出してたり、よかったと思います。

★★★★★ 2007-05-01 傑作!!
激動の60年代。ビートバンドのブームからフラワームーメントへとユースカルチャーが変わっていく中、そんなものとは乖離した、暴力的な青春時代を送る朝鮮高校の不良たち。
主人公の松山康介(塩谷瞬)は、女の子にモテようと似合わないマッシュルームカットにしたり、目的を模索するような青春の真っ只中。
そんな主義も目的も正反対の彼らが、反目したり邂逅したりするうちに、主人公の松山は朝鮮学校のリ・キョンジャ(沢尻エリカ)に出会い、恋をする…。
これは60年代の京都版、ロミオとジュリエットだ。

映画自体決して政治的な作りでなく、そうした論争に巻き込まれるのは井筒監督の意図するところでもないだろう。登場する少年や少女は、ケンカや恋愛を経てあくまで個人的な問題を、個人的な解決によって乗り越え、大人になってゆく。その他のことはバックグラウンドでしかない。これは、少年と少女による60年代の日本における空気を真空パックしたようなノスタルジックな青春群像。観た後も爽やかな印象を残す快作である。

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